もうわすれよう

ママには悪意のかけらもない
今の僕は
どうして私を愛さないのと
嘆いていた義母と同じだ

僕だって人を傷つけたことがある
思い出すと声を上げてしまう記憶が
不意に僕に襲いかかることがあるけど
人を傷つけた思い出が一番つらい

人は太りたくないと思っていても
食べだすと止まらないもの
そのつもりがなくても
他人を傷つけてしまうもの

僕はいつの間にか傷つけ
いつの間にか許されて
家族でいる安心感につつまれて
平和な日々に浮かんでいた

粘りがあるので
手からはがすのに手間がかかるけど
丸めて固めて
波をたてないようにそっと沈めてみよう

どうしても譲れないものが
生きてゆく道端にどれだけあるのだろう
その石を拾うために
曲がる価値のある分岐路が

そこを曲がっちゃだめだよ
僕の中の何かがそう告げている
ここから見ると光を放つものは
すぐに空に拡散されてしまう

もうわすれよう
いがみ合うことでは無いはずだ
もうわすれよう 
わすれよう